撮影をカメラマンや撮影スタジオに依頼する場合、どのような情報が必要になるのでしょうか?
弊社、七彩工房では日々様々な撮影を行っていますが、撮影の内容によって必要な情報も変わってきます。
そこで今回は、初めて商品撮影を検討されている方向けに、撮影前に整理しておきたい9つのポイントを解説していきます。
まず初めに、9つのポイントとは下記の通りです。
- 撮影の目的を明確にする
- 商品写真の使用媒体を決める
- 商品情報を整理する
- 撮影内容を決める
- 見積を取る
- 納期を設定する
- 撮影場所を決定する
- モデルやスタッフ、モノの手配
- 画像の切り抜き、レタッチ、合成
商品と一口に言っても、物や設備を提供する”製品”から機会や体験を提供する”サービス”まで様々あると思います。
その点にも触れていきますので、これから商品撮影をご検討されている方、現在撮影を発注されている方はぜひ参考にしてみてください。
商品撮影を依頼するに当たって
商品撮影をしようと決めたら、まずは情報を整理することから始めてみましょう。
写真の使用目的、撮影点数、撮影のイメージ、制作スケジュール、撮影にかけられる予算など。
実際に整理していく内に、不明点が見えてくるかもしれません。
スタジオに依頼するときに伝えるポイントをおさえておけば、認識のズレが起きることなく、広告写真や商品写真を撮影することができます。
各ポイントについて確認していきましょう。
1.撮影の目的を明確にする
最初に、撮影をする目的を明確にすることから始めましょう。
商品撮影を行う目的は何でしょうか?例えば、
- 新商品発売に向けたプロモーション
- 既存商品のリニューアル広告
- サービス認知向上のパンフレット作成
など、これらの目的を明確化することで、より効果的な広告写真を撮影することができます。
- 20代女性向けの化粧品を用いた、モデル起用のキービジュアル
- Amazon、楽天などに掲載する商品画像(全体写真、機能説明写真など)
- 説明書に載せる使用方法を見せるための説明写真
撮影の目的やターゲット層が鮮明であればあるほど、カメラマンと考えを共有しやすくなります。
2.商品写真の使用媒体を決める
次に、写真の使用媒体を決めます。
前述した目的と媒体はセットのようなものですが、多くの商品写真は複数の媒体に使用されます。
使用媒体によって、求められるイメージや比率・画像サイズが異なるため、事前にどの媒体を使用するのか決めておくことで以下のようなメリットがあります。
- 各媒体に必要な写真を一度で撮影できる(手間が省ける、コストカットに繋がる)
- 様々な媒体で使用可能な写真を撮影できる(構図の設定、文字スペースの確保)
逆に、使用媒体が後で追加になると、「追加撮影」や「画像合成・レタッチ」などの追加作業が発生することも少なくありません。
媒体の一例として、下記のようなものがあります。
- WEB媒体(SNS広告、バナー広告、リスティング広告、WEB CMなど)
- 交通広告媒体(駅のポスター、デジタルサイネージ、交通機関の吊り広告など)
- SP媒体(カタログ、パンフレット、リーフレット、チラシ、DMなど)
- マス媒体(新聞、雑誌、TVCMなど)
- 社内ツール(営業ツール、教材、株主総会用資料など)
媒体に合わせて、広告効果を最大限に発揮できるような商品写真の撮影をできるように準備することが重要です。
3.商品情報を整理する
次は、商品の情報を整理しましょう。
撮影に必要な商品情報とは何でしょうか?それは、
- 撮影する商品点数
- 大きさ
- 質感
- 特徴、機能
という「スペック回り」の情報です。
このような情報があることで、「撮影機材」や「1カットあたりの撮影時間」などが大まかに見えてきます。
また、商品のことを把握しておくことで、「どう見せるのがよいか」「何を見せたいのか」が明確になり、要望も伝えやすくなります。
効果的な商品の写真を撮るためにも、あらかじめ情報を整理しておきましょう。
4.撮影内容を決める
媒体やカット数といった枠が決まったら、撮影内容を具体化していきます。
- 撮影のイメージ
- カット数
- モデルの有無
この3点を明確にしていきましょう。これで全体像が見えてきます。
また、制作物によって「商品写真」や「イメージ写真」がどれくらい必要かも割り出すことができます。
商品写真とは、”商品全体を写した写真”や”特徴・機能を見せる写真”です。
イメージ写真とは、”商品を使用した時のイメージ”や”使用することで得られる体験”などを想像させる写真です。
使用媒体に合わせた、適切な写真を検討しましょう。
そしてそれが固まると、
- 撮影に必要なもの(撮影機材、小道具、施工部材など)
- 撮影スタッフ(スタイリスト、ヘアーメイク、レタッチャー、アシスタントなど)
など、撮影に向けて手配するものが見えてきます。これらの情報は、準備にかかる期間や撮影費用を出す上で参考になっていきます。
5.見積を取る
撮影内容が決まれば、次は予算です。
プロモーションや販売促進活動を行うに当たり、プロジェクト全体の予算から撮影予算を出していくと思います。
その予算内に収まっているか、見積を取って精査していきましょう。
撮影内容が予算を超えるようであれば、カット数・撮影時間・人件費の調整をかけます。
逆に予算が余分にあるのなら、イメージ写真の追加撮影などを入れるのも一案ですね。
6.納期を設定する
費用面が固まったら、納期を設定しましょう。
納期に向けて、全体のスケジュールを引いていきます。
モデルの手配、撮影場所・撮影スタッフのキープ、小道具や施工部材の発注などを進めていきます。
また、この後で述べますが、撮影後に発生するレタッチなどもありますので、それも見越したスケジュール管理が必要です。
7.撮影場所を決定する
費用とスケジュールが決まったら、各種手配に移りましょう。
まずは撮影場所です。
弊社・七彩工房の場合、自社スタジオがあることから、多くの商品撮影は自社スタジオで行います。
撮影場所には、例えば下記のような所があります。
- 撮影スタジオ
- ハウススタジオ
- キッチンスタジオ
- レンタルスペース
- 各ロケーション(公共施設、商業施設など)
- 商品の提供場所(店舗、会社、工場など)
空間を含めて商品を撮影するなら、ハウススタジオや適したロケーションを。
車を撮影するなら、相応の大型撮影スタジオを。
大型の製造機器を撮影するなら、製品が設置されている施設へ。
撮影場所によって、事前支払いや申請書類の提出を求められることもあります。
手配に合わせた準備も進めていきましょう。
8.モデルやスタッフ、モノの手配
続いて手配するのは、4番で先述した人やモノです。
撮影に必要なモデル、スタッフ、小道具や施工部材などを手配していきましょう。
また、「依頼側で手配するもの」と「依頼先に手配してもらうもの」で分けて考える必要があります。
例えば、モデルや撮影スタッフは撮影スタジオの人的ネットワークを活用するのが得策でしょう。
小道具・衣装手配はスタイリストに一任することもできます。
適材適所で進めていきましょう。
9.画像の切り抜き、レタッチ、合成
撮影内容によっては、画像の加工作業が発生します。
作業内容としては、
- 切り抜き(商品画像を切り取り、それ以外の背景を削除する、もしくは白背景にする)
- レタッチ(色や明るさの調整、キズや形の修正、肌の補正など)
- 合成(背景合成、大型製品の部分的合成、顔の表情合成など)
といったものが挙げられます。
このような作業を前提とした撮影もあれば、予期せぬ事態による撮影後のレタッチなど、作業が発生するケースは様々あります。
依頼する前にこのような作業が発生するかどうか、撮影後に発生する可能性があるか…など確認しておくと、それを見越したスケジュールや予算採りができます。
特に納期に大きく関係してくるので、あらかじめ把握しておきましょう。
商品撮影をプロに依頼する理由とは?
デジタルカメラやスマートフォンの進化により、誰でも簡単にきれいな写真を撮ることができるようになりました。
簡単にきれいな写真を撮れるようになったのは、商品写真も例外ではありません。
そんな時代にわざわざお金を払ってプロに任せる必要があるのか?と疑問に感じる方がいるかもしれません。
ここからは、商品写真の撮影をプロに任せるべき理由を3つご説明します。
プロに依頼するべき理由1:撮影のノウハウ
1つ目は、撮影のノウハウにあります。
カメラマンは商品をよりよく見せるための構図、ライティング技法や背景のセッティングを熟知しています。
例えば、アパレルの撮影と一括りにいっても、Tシャツとダウンジャケットでは適した撮影が異なります。
立体的に見せたい、やわらかい素材を見せたい、シルエットをきれいに見せたい…。
この様な要望に撮影で応えられる、それこそがプロの強みの一つだと思います。
プロに依頼するべき理由2:消費者目線の変化
2つ目は、消費者目線の変化にあります。
ここ数年で、Amazonや楽天を始めとしたECサイトによる市場席巻により、写真や口コミの判断で商品を購入する消費者が増えてきました。
それに加え、InstagramなどのSNSにより、消費者の写真を見る目が肥えてきております。
この様な背景から、「掲載する写真ひとつで売上が左右される」とも捉えられるのではないでしょうか?
商品やサービスが溢れかえる昨今、その中に埋もれない為の手段として、写真は大きな役割を果たします。
プロに依頼するかしないかで、写真の品質はグッと変わるはずです。
プロに依頼するべき理由3:違う視点を取り入れられる
3つ目は、違う視点を取り入れられることにあります。
撮影において、依頼する立場と撮影する立場では商品の見え方が異なると思います。
依頼側(メーカー、サービス提供者)は「商品の特徴や機能をどう見せたいか」を意識し、
撮影側は「商品をよりよく見せるにはどうするか」を意識します。
その意識の違いから、擦り合わせていく上で、プロの目線を取り入れた絵作りが可能となります。
商品を知り尽くしたプロと商品写真をよく見せるプロが手を組めばこそですね。
商品撮影のポイントについてまとめ
商品撮影の流れ、整理したいポイントをご紹介しました。
商品撮影をスムーズに、より理想の写真を撮るためにも以下のポイントを意識しましょう。
- 撮影の目的を明確にする
- 商品写真の使用媒体を決める
- 商品情報を整理する
- 撮影内容を決める
- 見積を取る
- 納期を設定する
- 撮影場所を決定する
- モデルやスタッフ、モノの手配
- 画像の切り抜き、レタッチ、合成
いかがでしたでしょうか。今回は最低限のポイントに絞ってまとめました。
創業60年以上の七彩工房には、あなたの理想の商品撮影を実現させるための、設備・ノウハウがあります。
今回ご説明したポイントについて、ヒアリングの際に共有いただければ、イメージ以上の魅力的な写真を撮影いたします。どのように撮影をすれば訴求力の高い写真が撮れるか、ご提案も可能です。ぜひお問い合わせください!