インテリア撮影のポイントや空間を演出する撮影テクニックをご紹介

インテリアや空間の撮影には、黄金率のような撮影方法があります。それはスマートフォンでの日常的な撮影方法から、一眼レフカメラでの撮影で役立つ方法まで、様々なやり方が存在します。

本記事では、インテリアや空間の魅力を最大限に伝えるためのインテリア撮影についてポイントを解説していきます。

業務におけるインテリア撮影にお悩みの方や、SNS向けの写真撮影を向上させたいという方はぜひ参考にしてみてください。

空間撮影とインテリア撮影

インテリアの撮影は大きく2種類に分けられます。それは空間全体を捉える空間撮影と家具や雑貨にフォーカスしたインテリア撮影です。

これから紹介する撮影のコツは、

  • 空間撮影とインテリア撮影向けの方法
  • 撮影後のレタッチポイント

以上の2つに分けて解説していきます。

では、さっそく見ていきましょう

1. 空間撮影・インテリア撮影向けの方法

まずは空間撮影・インテリア撮影に活かせる撮影方法を8点紹介していきます。

1-1. 水平・垂直に整える

1つ目は水平・垂直に整えることです。空間撮影・インテリア撮影において、最重要と言ってもよいポイントでしょう。

例えば室内を撮影する場合、壁・窓・ドア・床など、直線的な部材が大部分を占めます。それらが傾いて見える様だと、写真全体に傾きを感じ違和感が生じます。

そのため、直線の要素を持つものが水平・垂直になるよう意識しましょう。すると写真全体のバランスが保たれます。

しかし、いざカメラをかざすと、窓や床が示す線は縦・横・斜めに走り、バラバラだと気づくはずです。この場合、写真の中央にくるものを基準とし、水平・垂直のバランスを見ましょう。画面端にくるものの直線を基準にすると、傾きのある写真になるため注意が必要です。

1-2. 構図・アングルを意識する

2つ目は構図・アングルを意識することです。空間撮影もインテリア撮影も、”何をどのように見せたいか”によって構図やアングルは変わってきます。

空間撮影の場合、”間取り”や”見せたい場所(リビング、キッチンなど)”のバランスを見て判断します。部屋を広く見せたいなら、”着座時の目線の高さ”で撮影すると奥行きが出ます。

インテリア撮影の場合、”メインアイテム”と”その他の要素をどこまで入れるか”を見て判断します。ソファをメインに撮影するなら、”ソファ以外の要素をなるべく除く”か、”ソファにフォーカスする”ように背景との前後をつけましょう。

このように、撮影対象によって構図・アングルを変えることによって、適した撮影を行いましょう。

1-3. 低い位置から撮影する

3つ目は低い位置から撮影することです。先にも少し触れましたが、直立時の目線で撮影するより、着座時の目線で撮影した方が奥行きや高さが出ます。空間をより広く見せる効果が期待できるでしょう。

おすすめは「床から60cm~80cmの高さ」です。

着座時と同じ高さから撮影することで、まるで自分がそこにいるかのような目線で撮影することができるのです。ローテーブルやソファを撮影する際にも効果的でしょう。

1-4. 主題・副題を決める

4つ目は主題・副題を決めることです。”1-2. 構図・アングルを意識する”でも話した通り、空間撮影もインテリア撮影も”何をどのように見せたいか”によって、写真はガラッと変わります。

ここでは「主題」と「副題」に分けて考えていきます。

「主題」とは写真の中で最も見せたい被写体、「副題」はその次に見せたい被写体です。

例えば下記のようなイメージです。

テーマ:リビングダイニングの空間撮影
要望:リビングをよく見せたい
主題:リビング
副題:ダイニング

上記を踏まえて:リビングが前面、ダイニングが奥に見える構図での空間撮影

内容:ダイニングテーブルのインテリア撮影
要望:テーブルをメインに、空間全体は見せなくてもよい
主題:ダイニングテーブル
副題:ダイニングチェア、テーブル上の食器・料理

上記を踏まえて:テーブルの全景が見える構図に対し、チェアや食器を配置して撮影
このように、撮影内容に合わせて主題・副題を設定し、その点をクリアできる撮影方法を検討します。

逆に、空間全体をバランスよく写すことが目的の場合、主題・副題を設けずに撮影することもあります。

”何をどのように見せたいか”、その目的に向かって撮影するための材料としてぜひ活用してみてください。

1-5. 自然光を利用する

5つ目は自然光を利用することです。

空間全体を撮影しようと思うと、かなりの光量が必要になります。そのため、照明やライティングだけでは光量不足になることがあるのです。そこで利用するのが「自然光」です。

掃き出し窓がある等の”自然光が取り込める空間”であれば、光が行き届きます。光の入る向きによって陰影が落ちますが、その対比も演出として活きてくるでしょう。

逆にライティングだけで作り込もうとすると人工的で不自然さが出たり、本来の空間の雰囲気が伝わりづらい写真になる懸念があります。

そのため、できるだけ自然光の取り込みやすい日中、さらに日の入る時間帯を狙って撮影を行いましょう。

1-6. 手ブレを抑える

6つ目は手ブレを抑えることです。昨今では一眼カメラ・スマートフォンに関係なく、手ブレ補正が標準機能として浸透しました。

しかし空間撮影・インテリア撮影においては、三脚やスタビライザーの使用をおすすめします。

その理由は「シャッタースピード」にあります。5つ目のポイントで述べた「自然光」での撮影時、構造や天候により光量が十分に満たないことがあります。

そこで調整するのがシャッタースピードです。シャッタースピードを低速にすると、フィルムに多くの光を取り込むことができ、写真が明るくなります。

自然光だけで足りない光量はシャッタースピードで補いましょう。

1-7. 背景・装飾の足し引きをする

7つ目は背景・装飾の足し引きをすることです。空間撮影・インテリア撮影における背景や装飾とは、

  • 背景:壁、床、収納家具、ベッドなど
  • 装飾:インテリア雑貨、ファブリック、グリーンなど

上記のようなものを指します。これらの要素を合わせて、空間を作り上げていきます。

例えば、4つ目に述べた「主題」「副題」となる家具を決めて配置した場合、それより目立つ色の壁や床は避けて、家具が引き立つシンプルな背景にしましょう。

逆に、空間内の家具・インテリアがあまりにも少ない場合、装飾を足すことによって空間を演出しましょう。

見せたい商品があるのなら、それを引き立てる背景を。

見せたい空間があるのなら、テーマに沿った装飾を。

このように、用途に合わせて背景・装飾の足し引きを行いましょう。

1-8. 背景をボカす

8つ目は背景をボカすことです。インテリア撮影でより活きてくる”ボケ表現”です。

被写体を撮影する際、そこにのみフォーカスを当てて背景をボカすと、被写体が浮かび上がるような写真になります。
すると、見せたいポイントに目が行きやすくなるのです。

このボケ表現を取り入れられると、ボケの強弱によってフォーカスポイントを自在に操れるようになります。

ただしボカしが強すぎると、かえって被写体の全体像が捉えにくくなるリスクもあります。
被写体だけにとらわれず、バランスを見て適度なボカしを目指しましょう。

2. 撮影後のレタッチポイント

これまで撮影方法を紹介してきました。次に、撮影後に行うレタッチのポイントを3点紹介していきます。

2-1. 傾きを補正する

1つ目は傾きを補正することです。撮影方法の1つ目で述べたように、空間撮影・インテリア撮影では水平・垂直であることはとても重要なポイントです。

しかし、カメラやレンズによって写真が傾いたり、歪んだり…といったケースは少なくありません。

そのような時は、撮影後に補正を行いましょう。

  • 写真を回転して傾きを補正する
  • 変形して歪みを軽減する

この行程を踏むだけで、傾きや歪みによる違和感が解消されていくと思います。

繰り返しますが、水平・垂直は特に重要なポイントですので、念頭において作業しましょう。

2-2. 余剰部分をトリミングする

2つ目は余剰部分をトリミングすることです。トリミングを行うことで、写真の中の”見せたい部分”がより引き立つようになります。

ただしトリミングを行う場合は、撮影時にトリミング位置を設定し、大きめの画像サイズで撮影しておきましょう。

ノープランで撮影後のトリミングを行うと、構図に違和感が出たり、画質が下がるリスクがあります。トリミング位置や比率が分かれば、それに合わせた構図にすることができます。また、大きめの写真であればトリミングしても、サイズが保たれます。

上記のようなリスクを避けるためにも、

  • トリミング位置の設定
  • 大きめの画像サイズで撮影

この2点は意識しておきましょう。

2-3. 写真の調整・加工を行う

3つ目は写真の調整・加工を行うことです。撮影したままの写真を、より魅力的に仕上げる作業です。

ここで調整・加工するのは、

  • 光量の強弱(露光量、コントラストなど)
  • 色味の調整(彩度、色温度など)
  • 効果の加減(フェード、粒子など)

上記3点です。この3点を整えるだけで写真は見違えてきます。

「光量」の強弱をつければ、適切な明るさにでき、対比をつけると写真に表情が出ます。

「色味」は印象を左右します。彩度を高くすればビビッドな色味になり、低くすればフラットな色味になります。青みを足せばクールな印象に、黄みを足せばあたたかい印象に。
また、フェードなどの「効果」を加えると、柔らかみのある印象が増します。

このように、写真に持たせたいイメージを形にするため、調整や加工を行うのです。
また、Photoshopなどの編集ソフトを使用しなくても、LINEやInstagramといったSNSでも加工が可能です。

撮り終わったら様々な加工を試してみて、素敵な写真に仕上げてください。

インテリア撮影のポイントまとめ

インテリア撮影のポイントについて解説してきました。

インテリア撮影において重要な基礎は次の通りです。

  • 水平・垂直に整える
  • 構図・アングルを意識する
  • 位置から撮影する
  • 主題・副題を決める
  • 自然光を利用する
  • 手ブレを抑える
  • 背景・装飾の足し引きをする
  • 背景をボカす

これらの撮影方法を取り入れた上で、以下のようなレタッチを施せばプロが撮ったかのようなインテリア写真に仕上がります。

  • 傾きを補正する
  • 余剰部分をトリミングする
  • 写真の調整・加工を行う

おしゃれな空間を演出して、家具や照明の販売やマンションの販売、リノベーションの成約率を高めたいと考えるなら、インテリア撮影はプロに任せるのがおすすめです。プロなら撮影技術はもちろんのこと、長年の撮影経験で培ってきた感性でより高いクオリティのインテリア撮影を行うことができます。

七彩工房では広告写真の撮影を専門に行っており、インテリア撮影も行っています。

50名以上いるスタッフの中から、インテリア撮影に適したチームで撮影に臨みます。

ご相談は無料なので、気になった方はお気軽にお問い合わせください。

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